海外での長期滞在や移住を考えた時、どんなビザがあるのか、どういう条件で取得できるのか気になりますよね。
チェコでの長期滞在ビザでよく申請されるものは基本的に以下の3種類で、その中から、最もふさわしいもの選択して申請します。
- 就学ビザ
- 就労ビザ
- 同伴ビザ
これとは別に、カルチャービザやビジネスビザ、またチェコ人との家族関係よる居住権、2018年11月1日に開始されたワーキングホリデービザなどもありますが、今回の記事では上記3つのビザについて、それぞれの特徴と申請に必要な書類について解説します。
≫ワーキングホリデービザについては、以下の記事にて詳しく解説しています。
実際の申請の際には、必ず在日チェコ大使館の領事・ビザ関係ページをご確認ください。
チェコの長期滞在ビザ申請に必要な書類
新規で長期滞在ビザを取得する際に必要となる書類は、どのビザでもある程度共通しています。
- ビザの種類に応じた申請書類
- パスポート
- パスポートサイズの写真2枚(1枚は申請書類の所定の位置に貼り付け)
- パスポート+パスポートのデータ面(氏名・写真・署名が掲載されている頁)のコピー1部
- 住居の証明(Proof of accommodation)
- 資産の証明(Proof of fund)
- 申請者名義のクレジットカード+カード表面のコピー
- アポスティーユ付き無犯罪証明書
※日本および過去3年以内に6か月以上滞在したすべての国のものが必要 - 滞在理由の証明書類
チェコでのビザ申請における注意事項は、すべての書類をチェコ語に翻訳しなければならないことです。
この他に、承認されたビザや居住権を受け取りに行く際に、ビザの有効期限に合わせたチェコで有効な海外旅行傷害保険の保険証券の提示が必要ですが、申請時点では必要ないので、慌てて準備する必要はありません。
次からは、各ビザの詳細とそれぞれの申請に必要な書類について説明していきます。
≫住居の証明およびチェコ語翻訳については、以下の記事にて詳しく解説しています。


チェコで学校に通う⇒就学ビザ
チェコ国内で学校やスクール、何らかのコースに通って勉強したり資格取得をする際に申請する、いわゆる学生ビザです。
正規の学校(高校や大学など)かその他の学校(語学学校など)かで種類が分かれますが、どちらのケースでも申請方法や必要な書類は同じです。
滞在理由の証明書類には、学校やスクール、コースからの入学許可の提出を求められます。
学生の場合、学校を通じて住居(学生寮)や保険も手配できるケースが多いため、個別に手配する手間を減らすためにも、有効活用するといいでしょう。
申請するのがStudyなのかOtherなのか不明な場合、書類不備を防ぐためにも必ず実際に通う学校に確認した上で申請書類に記入しましょう。
正規留学の場合:Studyビザ
高校や大学、音楽学校など、学位を取得できる正規の学校に留学する場合、ビザの種類は学生(Study)ビザとなります。
将来チェコで永住許可に申請する場合、Studyビザでの滞在期間は1/2で計算されるのでご注意ください。
非正規留学の場合:Otherビザ
高校や大学、音楽学校など、学位を取得できる正規の学校に留学する場合、ビザの種類は学生(Study)ビザとなります。
将来チェコで永住許可に申請する場合、Studyビザでの滞在期間は1/2で計算されるのでご注意ください。
学位が取得できない語学学校や専門学校などに通う場合はその他(Other)ビザが発行されます。
永住許可申請のための必要滞在期間については、正規留学のStudyビザとは異なって、Otherビザでの滞在期間はそのまま計上されます。
チェコで従業員として働く⇒就労目的のビザ
現地採用や駐在員として派遣される際に取得するビザの一種で、いわゆる就労許可と長期滞在ビザが1つになったものです。
有効期間は半年~2年までで、労働契約の期間や内容によって、取得できるビザの期間が左右されます。
就労目的のビザの申請に必要な書類は以下のとおりです。
- パスポートサイズの写真+1枚(合計3枚)
- 滞在理由の証明書類
現地採用の場合:労働契約書、労働行為に関する同意書と職務を遂行できる専門性が備わっていることの証明(卒業証明書など)
駐在派遣の場合:労働許可証と会社からの派遣状(チェコ語)
また、就労目的のビザを申請する際、以下の条件に当てはまる場合に限り、保険については以下の例外対応が必要です。
- 日本の企業・雇用主から派遣される駐在員
チェコ共和国で就労する被用者/自営業者のための日本国公的年金及び公的医療保険各法の適用に関する証明書(J/CZ 101)を提出する - チェコの企業・雇用主に採用された場合
チェコの公的健康保険が適用されるため、公的健康保険を運用しているチェコの保険会社から発行された保険証券を提出する
就労カード
一般的な雇用契約で申請・取得できる就労ビザです。
チェコ国内での就労とその期間の滞在許可の機能を持っており、プラスチックのBiometric(生態認証)カードが発行されます。
駐在派遣者カード
2017年8月に新設された新しいビザ・居住許可で、EU加盟国外の会社からの駐在派遣者を対象とした就労許可付き長期滞在ビザ・居住許可です。
駐在派遣の場合、このカードに申請するのか、それとも就労カードに申請するのかをきちんと確認してから手続きを始めましょう。
ブルーカード
医師や研究者など、特に高度なスキルや知識が必要とされる職業に就く場合、ブルーカードに申請することができます。
ブルーカードを取得している場合、EU圏内であればチェコ以外の国でも働くことも可能になります。
≫ ブルーカードに関しては、以下の公式サイトにて詳細をご確認ください。
チェコで住む家族についていく⇒同伴ビザ
駐在員に同行する家族や、他のビザで滞在している家族と一緒に暮らすためのビザです。
あくまでチェコに住むためのビザであるため、現地の学校に通うことはできますが、働くことは許可されません。
同伴ビザ申請の際には滞在理由の証明書類として以下のものが必要です。
- 駐在員・留学生などとの関係を証明する戸籍謄本(または抄本)
- 就労する家族に同伴する場合、就労する人の資産証明+就労者が同伴家族の滞在費用を負担する旨を書いた宣誓書(チェコ語)
- 駐在員の家族の場合、駐在員本人の労働許可証のコピー
- 申請者が親に同伴する子供の場合、チェコ滞在に同意する旨を書いた同意書(チェコ語)
各申請書類は家族で1通ではなく1人1通ずつ必要なので、家族全員がチェコに同伴する場合、必ず全員分の書類を準備してください。
また就労目的での移住者に同伴する場合、保険証書については以下の例外が適用されます。
- 日本の企業・雇用主から派遣される駐在員の同伴家族
日本大使館によって発行された、日本の公的健康保険に加入しているという証明+チェコ共和国で就労する被用者/自営業者のための日本国公的年金及び公的医療保険各法の適用に関する証明書(J/CZ 101)のコピーを提出 - チェコの企業・雇用主に採用された場合
チェコの公的健康保険が適用されるため、公的健康保険を運用しているチェコの保険会社から発行された保険証券を提出
おわりに
ビザの種類は基本的に滞在理由によって決定するため、自主的に選択するケースは少ないです。
就学ビザは申請内容も提出書類も比較的シンプルですし、駐在派遣の場合は会社によるビザ取得サポートが期待できるため、そこまで悩むことはないと思います。
けれどチェコ企業での現地採用の場合、EU外の外国人雇用手続きに不慣れだったり、駐在員のビザサポートに離れていても現地採用のビザサポートには詳しくなかったりするため、就労目的のビザ申請に手間取るケースが多々あります。
よくわからないままに思い込みや推測で手続きを進めるのは大きなトラブルの元!
そのような場合は現地のビザサポートエージェントに頼ると、スムーズにビザの申請・取得ができるのでおすすめですよ。