外国に移住する理由は勉強のためや仕事のためなど色々ありますが、外国への完全移住を考える人にとっての最終目的は、移住先での永住許可取得ではないでしょうか?
国によっては永住許可の取得条件がとても厳しいですが、実はチェコは永住許可取得条件が比較的達成しやすい国なのです。
今回の記事では、チェコの永住許可を独力で取得するための条件と、申請手続きに必要にな書類について解説します。
チェコの永住許可取得条件は?
非EU加盟国出身の外国人がチェコで永住許可を取得するためには、大きく3つの条件があります。
これら3つの条件を満たすことで、チェコの永住許可の申請が可能になります。
注意点としては、有効期限が切れる最大3か月前から申請可能な他のビザと異なり、永住許可に申請できるのは既定の滞在年数が過ぎてからです。
この滞在年数については、永住許可申請までに取得してきた長期滞在ビザ・居住権の種類と期間によって異なるため、自分がいつから永住許可に申請できるようになるのか、必ず事前に確認しておきましょう。
チェコ語スキルは永住許可取得のためのチェコ語能力試験の合格証、収入は給与明細や確定申告書類などを提出します。
申請費用は2,500czk(約14,000円)。他の各種申請と同様に、申請時に窓口で収入印紙を提出します。
職業や学歴、また高額の資産証明などが永住許可取得条件に含まれる国と比べると、チェコの永住許可取得条件は比較的簡単な部類と言えるでしょう。
永住許可取得でできること・できない事
チェコの永住許可は、基本的に10年間有効な就学および就労が可能な長期滞在許可です。
よく誤解されているのですが、チェコの永住許可取得によりチェコ国内での就学や就職は自由になりますが、他のEU加盟国で就学・就職する場合は別途その国でビザや滞在許可、就労許可の取得が必須です。
また、他のEU加盟国への滞在は180日間中90日までとなっているため、チェコ国外に90日を超えて滞在する場合もその国でビザや滞在許可を取得しなければなりません。
チェコの保険や年金、社会保障への加入義務が生じるものの、出産休暇や育児休暇、失業保険などの受給が可能になります。逆にチェコのパスポート発行や参政権は認められません。
また有効期限もあるので、10年ごとに延長手続きを行う必要があります。
また、永住許可を所持していても結局は外国人であるため、チェコに滞在する外国人の義務として滞在先住所やパスポート情報、婚姻状況などが変更になった際には、速やかに変更申請をしなければなりません。
チェコ永住許可取得に必要な最低継続滞在年数の計算方法
チェコで永住許可を取得するには、一定期間チェコに継続して滞在していたという実績が必要です。
この期間は、保持する長期滞在許可の種類によって異なり、具体的には以下の3つに分かれます。
当然と言えば当然ですが、この継続滞在期間中に正当な理由なく長期間チェコやEU圏を離れていた場合、永住許可は下りません。
長期滞在許可やEU Blue Cardの場合はそもそもビザが取り消される可能性が高いですが、EU市民家族の滞在許可の場合でも、あまり頻繁に帰国していると知らず知らずのうちに合計不在期間が超過してしまう可能性もあるので気をつけてください。
それでは、永住許可取得理由ごとの滞在期間条件について、詳しく見ていきましょう。
長期滞在許可所持者で5年以上チェコに継続して滞在している
チェコ人と家族関係がなく、何らかの理由でチェコにて長期間滞在した結果として永住許可申請に至る場合は、この条件に合致します。
この「チェコに5年以上継続して滞在」という条件ですが、2点注意が必要です。
- ビザの種類変更は可能だが、新規での申請ではなく長期滞在目的変更申請を行う必要がある
≫ 新規で申請した場合、以前のビザの期間は計上されなくなるため、ゼロからやり直しになる - 正規留学のための就学 (Study) ビザによる滞在期間は1/2として計上される
≫ Studyビザのみで永住許可取得を狙う場合、10年以上在学し続けなくてはならない
ただし就学ビザでも非正規留学(語学留学や資格留学)の場合、ビザの種類はOtherであるため滞在期間がそのまま計上されます。
もしチェコでの滞在期間が5年近くなっている、もしくは5年を超えていて永住許可の取得を考えるのであれば、外国人警察や移民局のインフォメーションにて、自分の滞在期間を確認してみましょう。
EU Blue Card所持者で2年以上チェコに継続して滞在している
EU Blue Cardは、高度な知識や技術が必要とされている職に就く外国人が取得できる特別な就労ビザです。
通常の就労ビザではチェコ国内でしか就職できないのに対し、EU Blue Cardはチェコ以外のEU加盟国での就職が可能です。
このビザを持っている人は、以下の2つの滞在年数条件を満たせばチェコにて永住許可を取得できます。
この年数計算にも注意点があり、1つのEU加盟国での滞在期間が18か月に満たない場合、この期間は継続5年に計上されません。
つまり1つの国に最低1年半滞在する必要があります。
また、EU Blue Cardを所持し続けなければならないので、転職の際には必ずEU Blue Cardの条件を満たすポジションを選択しなければなりません。
チェコ人と家族関係にあり、2年以上チェコに継続して滞在している
チェコ人パートナーと同棲、もしくは結婚している場合はEU市民の家族としての在留許可を取得できるため、わざわざチェコでの永住許可を取得する人は少ないかもしれません。
とはいえ、それでも永住許可を取得したい場合は、以下の条件を満たすことで申請が可能となります。
EU市民家族としての永住許可取得の場合、申請後にパートナーとの関係を確認するための面談や家庭訪問があるかもしれませんので、そのための準備も忘れずしておきましょう。
チェコ永住許可申請に必要な書類一覧
永住許可の申請ができる日を確認・確定したら、早めに必要な書類を集めはじめましょう。
永住許可申請の必要書類は以下のとおりです。
- 申請書
- パスポートサイズの写真(2枚)
- パスポート&保持している長期滞在ビザ
- 住居の証明
- チェコ語能力試験の合格証、もしくはチェコ語コースの修了証明書
- 収入証明
- 2,500czkの収入印紙
永住許可取得の条件を満たしているといれば、これらの書類や手続きについても慣れているでしょう。
ただこの中でチェコ語能力試験の合格証と収入証明については少々独特なので、以下にて詳しく説明します。
≫ 住居の証明については、以下の記事にて詳しく解説しています。
チェコ永住許可取得のためのチェコ語能力試験
チェコの永住許可を取得するには、一定以上のチェコ語能力があることを証明しなければなりません。
チェコ語スキルの証明には、以下の手段があります。
- 指定された場所で永住許可申請のためのチェコ語の語学能力試験(A2レベル)を受ける
- 高等教育機関にて1年以上チェコ語のレッスンを受けたことを証明する
- 過去20年以内にチェコの小・中・高のいずれかに1年以上通っていたことを証明する
ちなみにこの永住許可申請のためのチェコ語語学能力試験の受験料ですが、2024年度は3200 CZKのようです。
詳細や試験の日程については、永住許可申請予定の外国人警察・移民局のインフォメーションにてご確認ください。
≫チェコ永住許可取得のための語学能力試験については、以下の公式サイトもご確認ください。
基本的にはチェコ語の試験を受けることになりますが、大学付属の語学学校に1年間以上通っていた場合、その終了証が試験の合格証の代わりとなるケースがあります。
実例としてカレル大学付属の語学学校ÚJOPの終了証が、永住許可申請の際にチェコ語能力の証明書として受領されました。
もしチェコ語コースを1年以上受けていて終了証を保管しているのなら、試験を受ける前に終了証を証明として使えるかどうかを確認してみるのがいいでしょう。
≫ カレル大学付属の語学学校ÚJOPについては以下の記事もご参照ください
チェコ永住許可申請のための収入証明
一般的なビザや居住権の申請では、銀行口座の預金残高が一定以上あることを証明する必要があります。
ですが永住許可の場合は、銀行の預金残高ではなく、定期的に収入があることを証明しなければなりません。
この収入証明については、どういう形で収入を得ているかによってどんな書類が必要なのかが異なるため、自分の状況に合わせてしっかり確認しましょう。
- 給与所得者の場合
・直近3か月の給与の証明(給料明細、給料証明)
・労働契約書 - 経営者・個人事業者の場合
・前年度の確定申告書類 - 不労所得者の場合
・銀行による、最低でも過去6か月以上にわたり、定期的に一定以上の収入があったことの証明
勤め人の場合、基本的には勤めはじめた当初から現在までの労働契約書(更新分含む)を保管しておき、それらをすべて持っていくといいでしょう。
給与の証明については会社に言って過去数か月分の給与証明を発行してもらうのが一番ですが、何らかの理由でそれが難しい場合は、直近数か月分の給与明細を提出しましょう。
スタートアップや個人事業者で前年度分の確定申告を行っていない場合は、不労所得者の場合と同様に、過去半年以上にわたって定期的に一定以上の収入があったことを証明すればいいようです。
≫ 詳細な情報はチェコ内務省の永住許可申請者向け資金証明に関するページをご確認ください。
おわりに
チェコで永住許可を取得しようという日本人は他の国に比べると少ないですが、全くいないわけではありません。
特に近年はヨーロッパへの移住がちょっとしたブームとなっており、他の国と比べて物価が安くて住みやすいとされるチェコに住みたいと希望する人も増えてきました。
もちろん、基本的に5年以上チェコに滞在し続けてからでなければ永住許可の申請ができないため、思い立ったからと、すぐに取得はできません。
とはいえ事前に申請に必要な書類や条件についての知識があれば、余裕をもって準備ができます。
永住許可が取得できるようになるまでの期間を利用して、自分が本当にずっとチェコに住み続けたいのかを見極めた上で、行動に移すのがベストでしょう。
ヒサノアスカ
アメリカ語学留学、オーストラリア&カナダワーホリ、デンマーク留学ののち、チェコ語学留学から現地採用を経て、5年以上の継続滞在によりチェコ永住権を自力で取得。
現在はプラハでフリーランスとして活動する傍ら、海外移住・旅行情報発信ブログa-h.workおよび当チェコポータルを運営中。