イースターの基礎知識とチェコ独特のイースターの風習

チェコにおけるイースターの独特な伝統と風習|cz-portal.com
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近年では日本でもテーマパークでイベントが開催されるようになった、キリスト教圏では大きなイベントであるイースター。日本語では復活祭と呼ばれていますね。
このイースターですが、実はチェコには他の国とはちょっと変わった伝統があるのです。

今回の記事ではイースターの基礎知識とチェコでのイースターの扱い、そしてチェコ特有のちょっと変わったイースターの伝統について解説しています。

≫チェコの主要都市でのイースターマーケット開催情報はこちら!

そもそもイースターって何の日?

英語ではイースター(Easter)、日本語では復活祭と呼ばれるこの日は、キリスト教において最も重要とされるお祭りの一つです。
クリスマスがキリストの生誕祭であるのに対し、イースターは十字架にかけられ処刑されたキリストが復活した日とされています。
また、イースターのシンボルとされているウサギやヒヨコですが、これらは多産の象徴であり、その年の豊穣を願うお祭りでもあります。

このイースターですが、実は何月何日とは決まっていません。
キリストは日曜日に復活した」という伝承を元に、春分の日の後の最初の満月直後の日曜日をイースターとすると定められているため、毎年日付が変わるのです。
ちなみに2020年のイースターは4月12日。その前後の金曜日と月曜日も祝日となるので4日間の長い週末になります。

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チェコにおけるイースターの扱い

チェコ語でイースターはVelikonoce(ヴェリコノツェ)。
語源はvelká noc(偉大な夜)でキリストが復活した日を寿いで、この名前が付けられたようです。
共産主義時代は宗教的行事を禁止されていたため、ベルベット革命による第三チェコスロバキア独立後、イースターを含むキリスト教系の祝祭や伝統が再開されました。

余談ですが、2016年まではイースターマンデー(復活祭直後の月曜日。チェコ語ではVelikonoční pondělí)のみが祝日とされていました。
ですが2016年より聖金曜日(英:Good Friday チェコ:Velký pátek)も祝日に制定されたため、復活祭当日をはさむ金曜日と月曜日も祝日となり、4日間の長い週末がやってきます。

イースターの週末における注意点は、イースターマンデーは国定休日であること!
国定休日は一部の小規模なお店を除いてほとんどのお店が軒並み閉店します。
観光地は例外とされていますが、プラハでも中心地以外ではほとんどのお店が開いてない、という状況が起きるため、事前に食料品や生活用品などのお買い物を忘れないようにご注意ください。

チェコのイースターはちょっと変わってる!?

イースターの伝統と聞くと、イースターエッグやエッグハント、卵料理、マスコットとしてのウサギやヒヨコが思い浮かぶのではないでしょうか?
チェコにもイースターエッグはありますし、ウサギやヒヨコをマスコットとしているのですが、実は祝い方や楽しみ方は、日本でもおなじみなアメリカンスタイルとは大きく異なります。
では実際にどんな伝統があるのか、ひとつずつ見ていきましょう。

チェコ版イースターエッグ “Kraslice”

チェコのイースターエッグのデコレーションはとてもきれいで、マーケットなどで売られている物の中には芸術品のように美しく彩られたものや、卵の殻をまるでレースのように彫ったものなどがあります。
かつては新しい生命のエナジーを表す赤色でイースターエッグをデコレーションするのが主流だったようですが、最近は様々な色のものがあります。
壊れ物なので取り扱いには要注意ですが、おみやげにもおすすめです。

このイースターエッグですが、カラフルなリボンと共に樺の木に飾られる以外にも、後ほど紹介するPomlázkaにて使用されます。
ただ、イースターエッグから連想されるエッグハントは、チェコではあまりポピュラーではないようです。

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柳の枝を編んで作るムチPomlázka

Pomlázka

イースターが近づいてくると、いろいろなお店やイースターマーケットで柳の枝を編み、リボンで装飾したムチを見かけます。
これはPomlázkaと呼ばれるイベント(?)で使うもので、本来は男の子たちが自分で取ってきた柳の枝を編んで作ります。
イースターマーケットなどでは、女の子が持っているのを見かけることもあります。

男の子が女の子を追いかけて柳のムチでたたくのが伝統行事!?

さて、上で紹介したイースターエッグと柳のムチPomlázkaを使ったイベントがあるのですが、なんというか、男の子には楽しいけれど、女の子からは忌み嫌われているイベントです。
一体どんなものかというと、自分で作った柳のムチ(Pomlázka)や水の入った容器を持った男の子たちが女の子を追いかけ、女の子に水を掛けたりムチで足を叩いたり、水をかけたりするというもの。
そして水を掛けられたり叩かれた女の子はイースターエッグやスイーツをその男の子に渡すのです

実はこのイベント、豊穣祭としてのイースターを祝うもので、男の子を羊飼いに、女の子を羊やめんどりに見立ており、放牧されている動物たちを羊飼いたちが追う様子や、世話をされた動物たちが卵などの豊穣を与える様をなぞらえているのだそうです。

女の子からすると嫌がらせにしか思えないイベントで、実際にいい思い出がないと言うチェコ女子もたくさんいます。
ただ伝統行事だから、叩かれたり水を掛けられた女の子には翌年までの健康や幸運、そして将来の多産が約束されるからと諦めざるを得ないのだとか。
とはいえ、最近ではイースターマーケットで買った柳のムチを振り回して走り回る女の子の姿を見ることもあるので、この風習にも男女平等が適用されるつあるのかもしれません……?

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イースターには子羊を食べる

Beránek

チェコのイースターでは、生命力の象徴として小さな動物、特にラム(子羊)を食べる伝統があります。
ちなみにラムといってもお肉に限るというわけではなく、甘い生地を子羊の形に整形して焼いたBeránek(ベラーネック)や、ラムをかたどったジンジャーブレッドを代わりに食べることもあるようです。

Beránekの焼き型

Beránekはスーパーのパン・焼き菓子コーナーの他、パン屋さんや焼き菓子屋さんなどでも売られています。
また、焼き型も普通のスーパーで入手できるので、お菓子作りが得意な方は、Beránekづくりに挑戦してみるのもいいですね!

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