7月19日に、移民法の改定が発表されました。
今回の変更での注意点は、在チェコ外国人がビザ・長期滞在許可の取得で必要となる旅行保険を購入できる民間の保険会社が1社に絞られること、またEU市民家族の滞在許可を2年以内に生体認証(biometric)カードへの切り替えが必須となることが発表されました。
他にもBrexitに関する改定もありますが、この記事ではチェコに滞在する日本人に大きく関わってくる旅行保険及びEU市民家族の滞在許可切り替えについてお伝えします。
ビザ・滞在許可で必要になる外国人向け旅行保険に関する変更
まず、この変更の対象外となるのは以下の方です。
- チェコの公共保険に加入している人
– 会社による健康保険、永住権・ビジネスビザ取得によるVZP加入者など - 国際的な取り決めに基づいて旅行健康保険の提出義務を免除されている人
– 駐在員など「チェコ共和国で就労する被用者/自営業者のための日本国公的年金及び公的医療保険各法の適用に関する証明書(J/CZ 101)」を提出している場合
上記に当てはまらない場合、現在の外国人向け旅行保険が失効した後は、2026年8月2日までの5年間、Pojistovna VZP(pVZP)の外国人向け包括保険のみがビザ・長期滞在許可の申請・更新手続きで有効となります。
ただし、2021年8月1日までに契約が完了している保険証書については2021年8月2日以降も有効ですので、すでにお持ちの保険を買い替える必要はありません。
とはいえ、今後、民間の旅行保険市場を独占することになることからpVZPが保険料を大幅に釣り上げる可能性があちこちで示唆されており、「保険料が安い保険会社で8月1日までに現在の保険が失効する直後から数年分の保険を購入していた方がいいのでは?」という意見も一部で出てきているようです。
けれどこの場合も、新規顧客や契約を得られない保険会社が数年後にどこまでの補償ができるのかという懸念事項があるため、次の更新期間分のみで留めているのが無難かもしれません。
チェコで生まれた新生児は生後60日間VZPに自動加入されるようになります
8月2日以降にチェコ国内で生まれる新生児は、母親がチェコの長期滞在許可を保持している場合、生後60日間にわたってチェコの公共保険であるVZPへ自動加入されることになります。
この間の保険料は両親が支払うことになります。
EU市民家族の滞在許可がパスポート型から生体認証(biometric)カードに移行
これまで第三国出身のEU市民家族の滞在許可は、緑もしくは青のパスポート型の冊子が発行されていましたが、この滞在許可をすべて生体認証(biometric)カードに切り替えられることとなりました。
切り替えの移行期間は2023年8月2日までで、カードへの切り替え手数料は無料です。
もし期日までにカードに切り替えなかった場合、滞在許可については実際の有効期限にかかわらず、2023年8月3日で失効となるためご注意ください。
EU市民およびEU市民家族の滞在許可の申請・更新手数料が適用
2021年8月2日より、EU市民の滞在証明発行及びEU市民家族の滞在許可申請・更新に200CZKの手数料がかかるようになります。
これらの手数料は郵便局で購入できる収入印紙(Kolky)にて支払う必要がありますので、申請の際には忘れず購入しましょう。
内務省移住情報ページ:IMPORTANT NOTICES:an overview of changes to the Act on the Residence of Foreigners with effect from August 2nd, 2021 (pdfファイル・英語)
https://www.mvcr.cz/mvcren/file/an-overview-of-changes-introduced-in-consequence-of-the-amendment-to-the-foreign-nationals-residence-act-effective-as-of-august-2nd-2021.aspx