レストランやパブを含む飲食店内で販売されるすべてのビールのVAT(付加価値税)が、2020年5月1日より現在の21%から10%に引き下げられることになりました。
これにより、チェコ国内でノンアルコールを含めたビール類を買う場合は、どこでどんな形態のビールを買うかによって10%、15%、21%と異なる3種類の税率が適用されることになります。
この新税率の発表により、チェコのSNSでは「どんな状況でどのビールを買ったらどの税率が適用されるのかよくわからない」と戸惑う人が続出する中、V4 Group Česká republikaが投稿した一般的な状況に大喜利めいた状況を付け加えたビールのVATチャートが話題になりました。
これらのバズや炎上を受け、財務省は「現行の21%の税率の他に、飲食店でのビール販売に適用する税率10%加わるだけの単純なものである」と発表しました。この税率引き下げのそもそもの狙いは、生ビールの販売が主な儲けである飲食店のマージン幅を増やすことにあることから、消費者への影響はほぼないとのこと。
バビシュ首相もこの件について、「ビールの価格が下がる可能性はあるが、上がることは決してない」とコメントしています。
公式に発表されているビールの形態と購入場所、税率を取りまとめると下表のようになります。
ビールの形態 | 購入場所 | VAT率 |
---|---|---|
生ビール | パブ・レストランなど飲食店内 | 10% |
飲食店外(デリバリー、スタンド、屋台を含む) | 21% | |
ノンアルコールビール | パブ・レストランなど飲食店内 | 10% |
飲食店外(デリバリー、スタンド、屋台を含む) | 15% | |
缶・ビン入りビール | すべての場所 | 21% |
価格変動はほぼないとされている中、SNSでは「飲食店でフタ付きの入れ物に生ビールを注いでもらって持ち帰れば11%節税できる」とより安くビールを購入する方法を考える人や、古いチェコの映画のワンシーンを取り上げて、「建物の中にいる人物が窓ごしに外にいる人の持つジョッキにビールを注いだ場合の税率は設定されていない」などと指摘する人もいたりと、まだしばらく盛り上がりそうです。
Expats.cz: New Czech tax hike on beer causes confusion, but the Finance Ministry insists it is simple
https://news.expats.cz/czech-beer/tax-hike-on-beer-causes-confusion-but-the-finance-ministry-insists-it-is-simple/
Brno Daily: New Beer Tax System Is Mocked On Social Media, But PM Andrej Babiš Isn’t Laughing
https://brnodaily.com/2020/02/11/news/business/new-beer-tax-system-is-mocked-on-social-media-but-pm-andrej-babis-isnt-laughing/